2018年1月19日金曜日

形勢判断って難しいよね。

1月8日の初台碁聖戦の2局目をみてみよう。

俺の白番。



こっちは1局目と同じくサンサンと小目を選択。

対して相手は高い中国流。

6手目で即サンサン入りしてこうなりました。

21でAの方が黒先手取れそうだと思うんですけどどうなんですかね?






白は厚みを警戒して1と二間ビラキ。

黒のカカリに星下に3はハサミというよりは手抜いて割打ちの感覚。

△のキリの石をのちに働かせたいので(直接動くかは別として)

そっち方面に白石を増やしておきたかった感じです。



黒は1のカケから5のツケで治まる手を選択。

8ヒラキが黒模様を制限する方向に向かってるので

この辺までは白としては不満はなさそう。

9のシマリに10のツケからちょっかいだしに行きました。



実戦この後Aと続けて打ったんですが

今見るとAかBか手抜いて保留かの選択は

手抜きが良かったのでは?って気がします。



実戦Aツギから8までは一応先手で生きてるので

白も打てるんだろうけどその先手をどこに行くのかが

ちょっと黒厚くし過ぎて消し方難しい感じでした。



Bのアテで上辺補強の方がゆっくりした碁になりそう。

とはいえ隅の地はデカいからなぁ。

実戦でこう打つかは悩ましいよね。

ってことでこの2つの図をにらみながら

他に回ったらどうかと思うんだけど

どこ打つか難しいんだよね。



第一感はAのトビかと思ったんだけど

黒はのちに入ってこれるから右下まだ地ではないし

だったらBとかCみたいな実利路線の方が

一貫性はあるのかなって気もするけど

平坦過ぎる意味もあるから悩ましいよね。

実戦は隅を生きたあと



1から消しに行ったんだけどこれイマイチだったね。

△のアジは利用したいっちゃしたいんだけど

AとかBとか直接動くのは重い気がしたんだよね。

左上厚くし過ぎたとも思ってたし軽くいきたかった。



この辺の打ち方は全然良くない。

かといってどうしたらいいかもわからない。

7で8だったかもしれないがどっちにしても重い。



ダンバネから捌きに行ったところで



黒は1と根元から切断してきたんだよね。

確かに1の黒は取れないしこれは厳しい?

1(もしくは3)のタネ石が捕まらないと

△の一団がバラバラにされてしまっているのは確か。



打ってるときの想定としては

こっちの図を考えていたんだけど

相手は過激派だったね。

ただこの過激な進行が良かったのかっていうと

結果的には微妙な気もする。

とはいえ打ってるときは入り方失敗して形勢損ねたと思ってるから

どう打たれてもまだ苦しいと思ってたんだけどね。



実戦白は△も□も取れないのでうまく捨てるルートを模索。



ハネツギ打たせて中央押して行って△の一団に逆襲を狙っていきました。



しかしこの段階では白は上辺の石も弱いので

黒を強く攻めれる立場でもなく・・・。



最終的には白はどの石も治まりはしたけど

黒には脱出されてしまったのでまだ悪いと思っていました。



続いて黒は右下に手を付けてきました。



白は右辺の構えを割られましたが18のヒラキに回って頑張りました。



1から5まではおそらく中央に利きを作って

右辺を攻める準備をしたかったのでしょうけど

空振り気味だと思います。

7から黒は手抜いた白を攻めに来たのですが



1から3でしのげそうっていうのは

手抜いた時には読んでいたので問題ありません。

代償としてこっちだけ秒読みに入ってしまったので

形勢判断する時間的余裕とかは失ったんですけどね。



2が利いて4にハネれば連絡と生きが見合いです。



8までピッタリ生き。



この後もしばらくヨセあったのですが



この時点で既に逆盤十ぐらいの差があるようです。

白は△で数えて53。黒は□で数えて43。

次は黒番ですが黒から打ってもさすがに中央に20はつかないですよね。

実際この後の進行としても黒は得しようと無理して差が開いたこともあり

終局時点でもだいたい逆盤十ぐらいの差で終わりました。

さてこの碁なんですが

いったいどこでそんなに白良くなったんですかね?

白としては左辺へのアプローチが悪くて

苦しくしたのは確かだったと思うんですが

その左辺でのやり取りが収束した後のこの局面。



打ってるときは入り方間違えたのが尾を引いて

まだまだ黒が良いと思ってたんだよね。

しかも局後の検討で相手に

「ここまでは黒圧倒的に良かったのに
 雀碁さんが投げないせいで逆転された。」

というようなことを言われたんですよ。

まぁ相手が投げなかったから負けたってセリフ自体は謎なんですけど

打ってるときは失敗したイメージが強く残ってたので

俺もこの時点では黒良いって話を信じ込んでたんです。

ところがこうして後日冷静になってから反省していくと

案外この時点ではすでに良い勝負なのでは?と思ったのです。

黒が良いとしても少なくとも投げるほどの差はないんじゃないかと。



ツイッターでアンケートとってみたんですが



え!?ww

白良しのが多いじゃんww

しかも俺のアンケートにしては

思ったより多くの人が答えてくれての結果だし。

だいたいいつも10票前後ってイメージだったけど

このとき倍近い人が答えてくれたんだよね何故か。

まぁどの棋力層の人が回答してくれたか不明な点はあるけれど

20人いて白持ちの方がやや多いくらいだから

この時点で白良い可能性は高いんじゃないかな?

対局者同士は打ってる最中どちらも黒良しと思ってたわけだから

実際には形勢の良い白が目一杯頑張って

実際には形勢の良くない黒が緩めて打ってたとなれば

最終的に大差になったのも納得はいくよね。

この結果からわかるのは

打ってる当人は局面だけを冷静に見て判断するって難しいんだね。

ってはなしかな。(俺も相手もね)

直前の手順とかここまでに通ってきた道とかから

この内容で形勢良くなってるはずないとか勝手に思っちゃってる。

こういう判断のズレがのちの打ち方にも影響すると思うと

岡目八目ってことわざもあながち間違いじゃないよなぁ。

対局中に自分の碁でも局面を冷静に見れる「第3の目」的な視点が持てれば

もうちょっとレベルアップできるんじゃないかな。

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